玄米の賛否論争に終止符!?「アブシジン酸」と「フィチン酸」について
完全食とまで言われる玄米ですが、賛否がありますね。
実際良いのか悪いのか。
今回はこの点について記事をまとめてみました。
玄米の優れた栄養素は万人が認めています。
しかし、以下がネガティブな意見としてあがりがちです。
- 玄米は消化が悪い
- 玄米の持つアブシジン酸がミトコンドリアを攻撃して傷つけてしまう
- 玄米に含まれるフィチン酸が体に必要なミネラルと結合し、体外に排出してしまう
これらが否定派の方が持つ主たるネガティブ意見となります。
一つずつ考えていきましょう。
玄米は消化が悪い
実際玄米食に切り替えてから体の不調を訴えられる方がいらっしゃるのも事実かと思います。
後に述べますが、これは原因がはっきりしています。
ほとんどは「玄米を正しく炊けていない」事が原因です。
圧力鍋の高温・高圧で炊き上げ、きちんと感で食べたなら問題はありません。
まして、小豆を入れて炊く「酵素玄米」は噛む事に執着する必要もなくなります。
玄米に含まれる豊富な栄養素。
この点だけを見ると玄米を取り入れない理由はありません。
しかし、この栄養素はセルロースという堅い殻で守られています。
故に玄米ご飯は消化が悪いと言われています。
どこか神秘的な構造ですよね。
では、中の栄養素、つまり玄米の最大の恩恵を得るにはどうすればいいのか。
まずはこのセルロースを解除しなければいけない事はイメージ出来ますよね。
次に、もう一つ壁があります。
セルロースを解除した先には「栄養の宝庫」と「有害なもの」が混在しています。
これまた神秘的な構造です。
玄米の持つアブシジン酸がミトコンドリアを攻撃して傷つけてしまう
セルロースを解除すると、次に「有害なもの」を無効化する必要があります。
有害なもの、これも玄米の生命力でもあります。
アブシジン酸(発芽抑制因子)と言って、環境から身を守るファイトケミカル(フィトケミカル)の存在があります。
稲は田んぼで育ち、水が干上がると収穫までの間乾燥状態になりますね。
この乾燥から身を守るための生産されるのがアブシジン酸です。
このアブシジン酸の自己防衛機能が人間に生命維持に重要な「ミトコンドリア」を傷つけてしまうという説があります。
ミトコンドリアというのは、細胞のエネルギーを製造する工場みたいなものです。
ミトコンドリアが傷つくと、体内酵素の機能低下が発生し、免疫低下につながります。
症例としては、冷え性、老化、倦怠感、不妊、ガン等の弊害が挙げられます。
つまり、このアブシジン酸の持つ攻撃性を無効化してあげる必要があります。
しかし、心配無用です。
私自信はもうずっと酵素玄米を食べていますから、論より証拠で何も気になりませんが、気になる方もいらっしゃるでしょう。
アブシジン酸は発芽抑制因子ですから、発芽玄米にしてしまえばいいんです。
発芽したいなら、発芽させてあげればいいんです(笑)
発芽させた玄米を酵素玄米として炊き上げ、寝かせてあげればこの問題はクリアです^^
それに、アブシジン酸は植物ホルモンです。
全ての植物が持っています。つまりは野菜もです。
玄米だけ人体に問題があるというのは少し無理があると思います。
ただし、1点注意すべき点があります。
発芽したてで炊飯する必要があります。
つまり、既に発芽玄米として販売されているものは乾燥させたものですから、再びアブシジン酸が生産されている状態となります。
玄米に含まれるフィチン酸が体に必要なミネラルと結合し、体外に排出してしまう
最後に、フィチン酸についての論争です。
フィチン酸もアブシジン酸同様に、玄米が生命を維持する為、外敵から身を守る為にあるものです。
外敵に食べられたり、落下して腐ったりする事から身を守る必要がありますね。
「フィチン酸」は、ミネラルや鉄と結合する性質を持っています。
故に、その結合力により、体内のミネラルや鉄を連れて体外に出て行ってしまう為、ミネラル欠乏症、貧血を起こすのではないかという説です。
この説を理解する為にまずお伝えしたいのが、玄米に含まれるのは「フィチン酸」ではなく「フィチン」です。
これに対し、「フィチン」とは、既に結合が完了している状態で、それ以上の結合能力がない状態です。
しかし、体内に入る事で、結合していた栄養素と分離し、再度結合する力を持ちます。
ただし、フィチンは体内に入り、分離した栄養素は体に吸収されます。
このように「フィチン」、「フィチン酸」の状態を繰り返しながら体外に排出されていきますので、むしろ「フィチン酸」がある方がミネラルの吸収効率が良いという学説もあります。
考えを述べる前にまず重要な点をお伝えすると、これはあくまで「玄米を生で食べた時」のお話です。
当然玄米を生で食べる人なんていませんよね(笑)
しかも、酵素玄米は高温、高圧で炊き上げます。
当然その作用も弱まります。
私が思うに、適度に弱まったフィチン酸こそが、現代食の問題を解決してくれると考えています。
玄米(フィチン酸)の持つ解毒(デトックス)効果ですね。
余計な添加物や化学物質を対外に排出してくれると考えています。
もし玄米に含まれる「フィチン」が有害であるのであれば、体に良いと言われている「ゴマ」や「大豆」など、どう説明するのでしょうか。
「ゴマ」、「大豆」は「玄米」とは比較にならず、倍以上のフィチンを含んでいます。
それらが原因でミネラル不足により、体調を壊すといった話を聞いた事がありますでしょうか。
ですから、この点は取り立てて問題視する必要はないと私は考えます。
それほどまでに玄米の持つ解毒(デトックス)効果が高いという事です。
ただし、注意すべき点があります。
この結合力と農薬の関係です。
玄米は白米と異なり米糖を削り落としていない状態ですので、残置農薬と結合しています。
ただし、無農薬玄米を選択する事で回避出来ますね。
そもそも農薬を使用していない訳ですから、心配する必要がなくなります。
まとめ
- 玄米の栄養素を摂取するには、セルロースという堅い殻を解除する必要がある。
- セルロース解除後、中に栄養素と共存する有毒なものを無効化する必要がある。
- 玄米が含む有毒なものは、発芽させる事と、無農薬の玄米を選択する事で解決する。
これらの事実から、「硬い食感」、「消化に悪い」、「毒性がある」と言われるようになりました。
ですから、本当に栄養の宝庫である玄米の恩恵を余すことなくいただくには、「セルロースの解除」と「毒性を無害なものにする」という2つのステップが欠かせないわけですね。
あくまで持論ですが、私は上記のように結論付けています。
そして、セルロール解除及び有毒なものを無効化するには、「玄米を浸水させ、発芽させる事です。」
そして、圧力鍋で高温・高圧で炊き上げる事。
これで安全に玄米の持つ奇跡の恵みを余す事なくいただけるんです。
いわゆる「発芽玄米」というものですね。
あとは「無農薬」の生きた玄米を選ぶ事で「おいしい完全食」の完成です^ ^
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